服飾文化専攻のカリキュラムは、教養科目、基幹科目、服飾文化専攻科目、教職科目、学芸員科目で構成されています。
今回は全10回にわたって、服飾文化専攻の授業を一部紹介します。(10月31日~12月1日の毎週月曜・木曜配信予定)
授業紹介⑨心理学Ⅱ
認知療法における気分(感情)のリバウンドの問題(仮説)
認知療法ではネガティブな自動思考を修正するために、自動思考と一致する、それを裏づける事実や経験である「根拠」と自動思考とは一致しない、矛盾する事実や経験である「反証」を統合して(andで結ぶなど)、気分(感情)を良くしていこうとします。その統合の際に、「根拠」と「反証」をどのようなバランス、ウェイト(重みづけ)で結合するかが大きな問題になると考えます。
「根拠:反証」が「10:0」、「9:1」のように、「根拠」重視型では、ネガティブな気分(感情)はほとんど変わりません。一方、「6:4」、「5:5」、「4:6」の均衡型では、ネガティブな気分(感情)はやわらぎ、ポジティブな方へ変わります。また一旦、良い方へ変化した気分(感情)がネガティブな方へ「リバウンド」(逆戻り)することは起きにくいと考えられます。それに対して、「1:9」、「0:10」のように、「反証」重視型では、ネガティブな気分(感情)は一旦、やわらぎ、ポジティブな方へ変わりますが、時間の経過によって、気分(感情)がネガティブな方へ「リバウンド」(逆戻り)してしまう可能性があります。
「反証」重視型は一番良い解決方法のようにも見えますが、「二者択一」的思考が強いため、実は「リバウンド」(逆戻り)しやすく、リスクが最も大きいと考えられます。均衡型のように「根拠」と「反証」のバランスが大事であると言えます。
以上の考えは仮説に過ぎません。問題の深刻さによって結果は違うかもしれません。今後、調べてみたいと考えています。