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シラバス(公開版)

2026年度 

 
  生活文化論
[ K-1-c-06-1 ]
 

 単位(総授業時間数+自習時間):2(30 + 60)
 対象学科:美表1年
 授業形態:講義 学期:前期 必・選:選択
 美術学部 共通教養科目
 津 上   誠

授業概要
この授業での「生活文化」とは、各社会の人々が日々の生活の中でアタリマエのこととして繰り広げている「ものの見方・考え方」や「生活様式」のことです。そのあり方は社会によって実に多種多様です。本授業では多様な異文化(かつての日本社会で繰り広げられていた文化を含む)を理解していくことを通じ、私たちにとってのアタリマエが実は少しもアタリマエではなかったことに気づいて行きます。また、そんな中でも「どこに行っても変わらない人間らしさ」というものも探究して行きます。以上の研究スタイルは授業担当者(津上)の専門でもある「文化人類学」の研究手法なのですが、授業では抽象的な議論は最小限にし、できる限り具体的にわかりやすくお話しして行きます。

授業の到達目標
 
学位授与の方針との関連
 
①異文化理解を通じて自文化に気づく。
 
②異文化理解と自文化への気づきの間の往復運動を通じて「人間とは何か」を考える。
 
③文化人類学という学問の探究姿勢を身につける。
 

授業計画
 
内容 自習(事前・事後学習の内容)
 
1 「生活文化」について文化人類学はどのような探究の仕方をするのか?
~南インドのナヤール人における「家族」を題材に~
私たちがアタリマエに思っている家族の構成を念頭に置いた上で今回の授業を受講してほしい。受講後には、文化人類学の探究姿勢について人にも伝えられるよう、ノートをよく見返しておくこと。
 
2 手食の人々
~人間が食を味わうとはいかなることなのか?~
人間はただ単に口と鼻で食を味わう生き物なのかどうか、考えを巡らせた上で、今回の授業を受講してほしい。受講後は、学んだことを人にも伝えられるように復習を重ねること。
 
3 コミュニケーションの基本構造
~以心伝心なんて存在しない~

AさんがBさんに何かを伝えているとき、そこで起こっていることは何なのかを丁寧に考えてみた上で今回の授業を受講してほしい。受講後は、授業の全体像を幾度も思い返し、人にも説明できるようにしておくこと。
 
4 コトバはものをあらしめる コトバを持たない人が身の回りの事物を見たとき、どのように見えているかを想像した上で、今回の授業を受講してほしい。受講後は、授業の内容を振り返り、人にも説明できるようにしておくこと。
 
5 虹が3色に見える人々について 虹は3色だと言い張る民族がおり、実際にそう見えているらしい。それはなぜなのかを想像しておくこと。受講後は、授業内容を振り返り、人にもわかりやすく説明できるようにしておくこと。
 
6 現代日本人はなぜヘビやカエルが気持ち悪いのか? 現代日本人なら、ヘビやカエルは食べることなど思いもよらない生き物だと普通考えるが、実際のところ栄養面や衛生面ではどうなのだろう?その上で、なぜ気持ち悪いと思うのかを考えておいてほしい。受講後は、相手を納得させられる説明ができるよう、内容をよく復習しておくこと。
 
7 排泄物はなぜきたないのか? 人間の身体から出てくる排泄物の穢れについても、衛生面で本当に説明し切れるのか、考えておいてほしい。受講後は、やはり相手に納得してもらえるような説明ができるよう、授業内容をよく復習しておくこと。
 
8 「穢れた(けがれた)人々」への差別をめぐって かつてのアメリカ社会で同性愛者が迫害された理由は、煎じ詰めれば、この人々が男とも女とも分類しきれない存在であったからだと言える。分類しきれないことを理由とした迫害は他にもいくらでもあるから探しておいてほしい。受講後は授業趣旨をよく思い返し、ひとにも説明できるようにしておくこと。
 
9 3つの交換と間柄 人間社会におけるモノや働きのやりとり(交換)には大きく言って3種類しかなく、それぞれが独自の人間関係を作る、ということを話すので、どんな話になるか想像だけでもしておいてほしい。受講後は復習を積み重ね、納得のいく説明がひとにもあできるようにしておくこと。
 
10 「身内」とは何か 第1回授業で扱ったナヤール人の家族は父と母と子を基本とはしていなかったが、立派な家族(身内)として機能していた。家族(身内)が生物学的つながりを必要条件にしないのなら、では家族は何を基本にして成り立っているのだろうか。これを考えてきてほしい。受講後は授業内容を丁寧に振り返り、人にも説明できるようにしておくこと。
 
11 贈与交換と力、および贈与物に宿る魂について 贈与は第9回で述べた3つの交換の一つだが、3つの交換それぞれのもつ重みが、伝統社会と現代社会とでどう変わってきているか、ぼんやりとでもいいから考えてきてほしい。受講後は贈与交換が持つ重要性の変化についてシャープに論じられるようにしておくこと。
 
12 和製ポップスに見るロマンティックラブの変遷 流行歌の変化に日本社会における男女関係のあり方の変化を読み取ると予告しておくので、あなたの知るラブソングのいくつかを思い起こしておいてほしい。受講後は授業を振り返りながら人に内容を説明できるようにしておくこと。
 
13 現代日本人は無宗教か タイトルにある通りの問いをなるだけ深く検討してきてほしい。受講後は人に内容を説明できるようにしておくこと。
 
14 「私」という像の結ばれ方 かつては多くの社会において「子ども」は成人儀礼を経て「大人」へと変身した。人々の圧倒的な意味づけの力によって、子どもは否応なく大人になったのだ。この様子を現代日本社会と比較しイメージしておいてほしい。受講後はかつての社会と現代社会とにおける「私」の成立の仕方の異なりを説明できるようにしておくこと。
 
15 授業の振り返りと本試験 15回分の授業内容について、ノートを見なくても要点をわかりやすく人に伝えられるよう、準備しておくこと。
 

履修上の注意
毎回授業の終了時に「小テスト/小レポート」を課し、「合格」か「不合格」かを判定します。合計で15回の「小テスト/小レポート」が課せられことになりますが、そのうち10回(10枚)以上が「合格」でなければ、単位授与はできなくなりますので、十分注意してください。
(この「小テスト/小レポート」は、単に難問を出して振り落とすためのものではなく、あなたがちゃんと理解しようとして聞いていたかを判別するためのものです。たとえ誤ったことが書いてあっても、あなたが授業をわかろうとして真剣に聞いていたと判断できる回答であれば、合格となりますので、とにかくわかろうとする努力を心がけて受講してください。
(わかろうとする努力を重ねて授業内容の理解が進んでいけば、たいていの人にとってはおもしろい授業となり、最後の試験勉強も苦にならなくなるはずです。)
なお、遅刻は減点扱いとなりますので、こちらもご注意を。

成績評価方法・基準
授業最終回に「本試験」をノート持ち込み不可で行い、その得点があなたの成績となり、合不合格の判定材料になります。ただし上述したように、15回の「小テスト/小レポート」で10回以上合格した受講生でなければ、最終回の「本試験」は合格できません。

教科書
特に指定しません。

参考書
『文化人類学のコモンセンス~文化人類学入門~』浜本満ほか(編)、学術図書出版社、2200円
必ず読まなければならないわけではありませんが、私の知る限り、最良の入門書です。

備 考
質問等は下記のアドレスまで。
makototsugami@yahoo.co.jp
質問等は授業終了時にも受け付けます。

 
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