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シラバス(公開版)

2023年度 

 
  美術特別講義Ⅲ
[ D-3-g-11-1-2 ]
 

 単位(総授業時間数+自習時間):1(15 + 30)
 対象学科:美表2年
 授業形態:講義 学期:前期 必・選:選択
 美術表現学科専攻科目
 佐 藤 一 郎

授業概要
 「論画六法」における「気韻生動、骨法用筆、応物象形、随類賦彩、経営位置、伝模移写」のそれぞれに触れ、アジアとヨーロッパの造形思考の共通性を探る。特に、今回は「応物象形」「随類賦彩」、すなわち「形と色」を取り上げる。「光とはなにか」「色彩とはなにか」「絵具とはなにか」を、ニュートンの「光学」から解き明かす。
  次に、「諧調(グラデーション)」をテーマとした❶「色見本」作成と❷「球体」表現の実技実習を行う。その際、西洋絵画における重層構造、混色方法の基本を修得する。

授業の到達目標
 
学位授与の方針との関連
 
「論画六法」を通して、「絵画とはなにか」の基礎知識を学修する。
0.16 0.16 0.2 0.16 0.16 0.16
 
「光とはなにか」「色とはなにか」の基礎知識を学修する。
 
デザイン、マルチメディアに応用しうる、各種絵具の塗り方を試す。
 
❶「色見本」と、❷「球体」の描画手順とその完成度。
 

授業計画
 
内容 自習(事前・事後学習の内容)
 
1 「論画六法」の「気韻生動」と「骨法用筆」を考察する。 「気韻生動」「骨法用筆」を事前学修。
 
2 「論画六法」の「応物象形」と「随類賦彩」を考察する。 「応物象形」「随類賦彩」を事前学修。
 
3 「論画六法」の「経営位置」と「伝模移写」を考察する。 「経営位置」「伝模移写」を事前学修。
 
4 「論画六法」のそれぞれに当てはまる欧文タイトルは? 「論画六法」それぞれを英訳。
 
5 「白色光線、スペクトル、黄色光+青色光」を実験する。 RGB表色系を事前学修。
 
6 不透明な黄色絵具に透明な青色絵具を重ねる実習を行う。 CMYK表色系を事前学修。
 
7 「顔料の粒径」「顔料と媒剤の屈折率」「被覆力と透層力」 物質それぞれの「屈折率」を事前学修。
 
8 「チューブ油絵具に記載されている文字、記号、絵表記」 油絵具への記載文字、ピクトグラムを調べる。
 
9 線影的筆致(ハッチング)による「諧調(グラデーション)」 線影的筆致の作品例を探す。
 
10 コバルト青とチタニウム白を混色し、3種類の色調を作る。純色の白色と青色を加えれば、計5種類の色調が揃う。 ノートに、3あるいは5種類の色調をつくる手順をわかりやすく図示してみる。
 
11 a-1、アルシュ紙に、転写し、その下素描(墨汁)に、3種類の色調をハッチングで塗り重ねる。 三色調のそれぞれの境目が滑らかに移行するには、どのような工夫が必要か。
 
12 a-2、純白色のスフマートと純色のグレーズを重ねる。 掠色(スフマート)と透色(グレーズ)とは。
 
13 b-1、叩筆で、二種類の油絵具を混色。グレーズを重ねる。 2色の不透明色で「諧調」作成を試みる。
 
14 c-1、アルシュ紙に、球体とそれを取り囲む空間を描画する。 中間調子の地透層(インプリミトゥーラ)。
 
15 批評会:二種類の「諧調)」の出来具合を比較検討する。 各人が作成した色見本の特徴を考察する。
 

履修上の注意
事前に、掲示板で日程と準備物を掲示するので、確認する。学生が揃える準備物:筆記用具(鉛筆、ボールペン、消具)、帳面(ノート)水彩道具一式(水彩絵具、面相筆、溶き皿など。油画道具一式(油絵具、豚毛筆、調色版(パレット)、溶き油(亜麻仁油、揮発性油)、溶き皿など、剃刀(カッター)、定規(30cm前後)大学が揃える準備物:アルシュARCHES水彩紙(300g 18×26cm)2枚、墨汁、叩筆。

成績評価方法・基準
出席を含む平常点50%、「色見本」「球体」の提出物50%で評価する。

教科書
適宜、教科書に代わるプリント(+参考資料)を配布する。

参考書
佐藤一郎+東京藝術大学油画技法材料研究室『絵画制作入門』東京藝術大学出版会。佐藤一郎『マックス・デルナー:絵画技術体系』美術出版社。佐藤一郎、他」『クルト・ヴェールテ:絵画技術全書』美術出版社。佐藤一郎監訳『トンプソン教授のテンペラ画の実技』三好企画。

備 考
(集中講義)「絵画の心得」と題して行う。授業計画は多少順番が前後しうる。質問等は適宜受け付ける。

 
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